糖尿病の方は高血圧になりやすいとは以前より言われていましたが、高血圧治療ガイドラインによると糖尿病でない方と比較すると2倍以上高い事がわかっています。
因果関係があるデータですがどういった関係があるのでしょうか。
糖尿病は高血圧を引き起こす原因と考えられている事は3つあります。

1つは心臓血管系の要因で、収縮期血圧が上昇する事で高血圧になるものです。
健康な状態では身体の水分濃度を同じにしようとする力が保たれています。この力を浸透圧と呼びます。
しかし糖尿病になると血液中のブドウ糖濃度が高くなり、その状態が続くと細胞内外の水分濃度を同じにしようとする力のバランスが崩れます。
結果ブドウ糖が存在する細胞外の浸透圧が高くなります。

人間の身体はバランスをとろうと働くので、同じ濃度にしようと自然に働きます。
細胞膜を通って浸透圧の差を縮めようと作用し、細胞外の血液や体液が増加します。
細胞外の水分量が増加すると身体を循環する血液量も増加し、血液を送り出す心臓はより働かなければなりません。
よって心臓に負担が掛かってしまい、血液を送り出す為に収縮した際に収縮期血圧が上昇します。これが心臓血管系の要因です。

もう1つが末梢血管系における要因で、抹消血管を収縮させて血圧が上昇するものです。
細胞膜にはカリウムやナトリウム等のイオンを通過させる門があります。
糖尿病になると門の働きが低下する事があり、低下する事で細胞の中にナトリウムが増加します。
イオンバランスを保とうとカルシウムが増加しますが、このカルシウムは筋肉を収縮する作用があります。
結果末梢血管が収縮して血圧上昇するというのが末梢血管系の要因です。

最後に腎臓ですが、機能として血糖を改善しようとインスリンを分泌します。
血液中にインスリンが増えると腎臓でナトリウムを留めるのを促進するので、血液中のナトリウムが増加します。
浸透圧の影響でバランスをとろうと水分を細胞間液から取り込み、結果水分量が増加するので血液量は多くなって心拍質量も増えます。
こうした事から高血圧に繋がるのです。
全て該当するわけではありませんが、糖尿病の方は高血圧になりやすい状態であると言えます。

糖尿病人口が多いのは中国・インド

日本食はバランスが良く高血圧や糖尿病になる方は少なかったのですが、豊かになり食事も欧米化が進み今や世界6位の糖尿病大国となっています。
2011年のデータでは1067万人が糖尿病であり現在はもっと多いと言われています。
また肥満も多く、糖尿病予備軍も合わせると日本人口の3分の1にものぼります。
世界中でも糖尿病患者は増えており、先進国だけではなく発展途上国でも問題になっています。

世界で特に糖尿病人口の多い国は中国とインドです。
2011年のデータでは中国は9000万人が糖尿病で1位です。
2位のインドは6130万人であり、この順位は現在も変わらずより人口数を増やしています。
中国は今や世界第2位のGDPをほこり、豊かな国になりました。
発展途上国でしたが急激に発展を遂げましたが、途上国でよくある太っている事が富の象徴という意識もあります。
食生活が豊かになったりも背景にありますが、問題意識が低い事も要因と言えます。

インドも同様ですがアジアは世界と比較して炭水化物中心の食文化である事も糖尿病が多い背景になっています。
インドは宗教上の理由で鶏肉しか食べられません。
またその鶏肉も高価であり、基本的に炭水化物であるお米でお腹を膨らませる食文化になっています。また日本の様に1日3食ではなく1日6食が一般的です。

炭水化物は糖に変換されるので、以上の理由から糖尿病患者が多いのです。
中国とインドは人口も非常に多いので糖尿病患者も多いと言われていますが、背景には上記の事も要因にあります。
今後2030年には共に1億人にも到達する事が予想されています。
糖尿病は世界的な病になっており、現在では世界で4億人の方が糖尿病と診断されています。